レポート・論文作成法

レポート・論文を書く前に

レポートとは何か、論文とは何か
まずは段取り、ゴールまで見通す
書くことで思考が深まる
よりよく書くためのメタ認知



説得力のあるレポート・論文を書くために

思考を論理的に組み立てる
問いを立て、証拠を示す

客観的情報としての知識

大学での講義や書物などを通し、情報として学習者にそのままインプットされた受け売りの知識

主観的経験を通した知識

学習者が主体的に身につけた知識

批判的に検討する

批判

根拠に基づいて問題を指摘する
問題を提起する
建設的に問題を検討する

読む力を鍛える3ステップ

論理

伝えたいこととその根拠をつなぐこと

情報を効率的に点検する「概略的読み」
論理の組み立て方を理解する「構造的読み」
議論を組み立てる「批判的読み」
引用を的確に示す



レポートを書く

レポートの型を見極める

説明型

内容を理解したかどうか説明します。授業やテキストの内容を十分理解したかどうか、学習成果の説明を求めるための課題です。図書を紹介する「ブックレポート」や、ある事柄について調べる「調べ学習レポート」もあります。

報告型

実習での成果を報告します。看護や介護の臨床実習報告、保育や教育実習報告などがあり、様式は決まっています。その他、博物館実習報告、フィールドスタディや短期留学の成果報告もあります。

実証型

与えられたテーマについて、実験や調査を行い、その結果に基づき実証します。

論証型

与えられたテーマについて論証します。テーマを絞り込み、資料を調べ、根拠に基づき、自分の主張を論理的に組み立てます。

レポートのイメージを掴む
レポート作成の5ステップ

論点を見出す

指示された課題を理解する。テーマに関するキーワードを使って、思考を整理し、論点を見出し、下調べに入る。

調べる

課題のテーマに沿って、流動的で新しい情報を収集する。

組み立てる

論点を定め、問いを立てる。構造を組み立てるため、主題文を書く。アウトラインを作成する。仮の題名をつける。

執筆する

定型的な表現を用いたフォーマットを使って執筆する。題名を、キーワードとの整合性を考えて、つける。

点検する

自己点検評価シートでチェックする。できれば時間を置いて第三者的思考で読み返し、推敲する。

論点を見出す

リスティング

思いついたことをどんどん書き出す。列挙した項目を見ることで、何を論点とするか、構想しやすくなる。

思考マップ

思いついたことをつなげてマップを描くことで事柄の関連性や階層性がわかり、漠然としていた思考が整理できる。

表に出す

複数の事柄の比較や、原因と結果の因果関係を、表にして書き分け、整理しておくと、相違点や問題点を明確化できる。

ブレーン・ストーミング

グループでアイディアを出し合う。相手とのやり取りの中で、新たな発想が浮かび、思考も深まる。

調べる
組み立てる

主題文

レポートで自分が主張したいことを簡潔に述べた文章

主題

論点とする内容

子どもの間でメールやLINEのやりとりを巡り、人間関係が問題となっている。

根拠

主張の裏付け

一日中、友達とやりとりをし、それがストレスとなっているのに手放せないという。

主張

自分の意見

まずは、親子で使い方を話し合うことが必要だと主張する。

アウトライン

レポートの構成を示した骨組み

序論

問題の背景と目的
主張の要点

本論

主張を裏付ける信頼ある証拠の提示
異なる立場の主張の批判的検討
補足や代案

結論

主張の妥当性の確認
主張の限界
今後の課題

執筆する
点検する

レポート・論文の作法を学ぶ

題名のつけ方
定義の仕方
引用の示し方、文献リストの書き方

直接引用

著者の述べた文章をそのまま、全く変えずに引用し、その部分を「」で括ります。ただし、引用文が句点で終わっていても、句点は記載しない。著者名は、名字だけ書き、続けて出版年を()の中に入れます。

佐伯(1986)は「すぐれた研究者の研究動機というのは、どこかで日常性の世界としっかり結びついており、学問の専門性と日常性をいったり来たりできるチャネルがしっかりしているのである」と述べている。

間接引用

「」は使わず、本文の内容を要約して引用します。

佐伯(1986)は、優れた研究者の研究動機とは、日常性の世界と学問の専門性がしっかり結びつき、その間をいったり来たりできることにあると述べている。

パラグラフの書き方

パラグラフ

いくつかの文が集まって、意味のまとまりを示したものです。

トピック・センテンス

話題と主張を述べる

サポート・センテンス

トピック・センテンスの裏付け

結びの分

結論を述べる

事実と意見を区別する
わかりやすい文章を書くために